大人の社会科見学Ⅲ ~武蔵小山再開発計画・放射2号線道路計画問題~
再開発や道路事業を見てみよう!+星薬科大学の薬草園ツアー
11月18日(土)”一度で三度おいしい”大人の社会科見学第三弾を開催しました。
いま、品川区内で進められている再開発計画や道路計画の現状を知ってもらう目的で、このツアーを開催しました。
1.よくテレビにも出る 武蔵小山商店街 の再開発計画
2.旧中原街道を巻き込む、放射2号線の道路計画
3.そして、その放射2号線道路計画上にある星薬科大学 (作家・星新一氏の父、星一氏創設の大学)
この3カ所を回りました。
いま、武蔵小山商店街(パルム商店街)には、再開発計画が持ち上がっています。
いつも賑わっている商店街ですが、すでに駅前には航空法ぎりぎりの高さがある超高層マンションが2棟建てられており、ここにさらに同レベルの建物を3棟建てる計画があります。
詳細はこちら → 小山3丁目第一地区・第二地区にかかる再開発事業(品川区建設委員会資料)
商店街だけでなく、近隣マンションも再開発計画エリアとなっています。
いったいどれだけの人々の生活が、この計画で激変するのだろうかと思います。
さて前日は雨模様でしたが、この日は一転したツアー日和となりました。
出発点の集合場所は、再開発地域でもある武蔵小山駅前広場の一角。
時計台前は、私たち生活者ネットワークも度々街頭演説を行う場所です。
作家の池波正太郎氏が生前、武蔵小山に住み、その住まいだったマンションもこの度の再開発計画エリアにあります。(マンションの場所は、今回ツアー参加者の方から伺いました)
池波氏の散歩道が、武蔵小山商店街の再開発計画と放射2号線道路計画で、様変わりしようとしています。
品川人物伝 第33回 池波正太郎 (品川区 HPより)
放射2号線道路計画は、旧中原街道から民家を巻き込み、民間会社、星薬科大学の構内を分断し、区立荏原第一中学校、区立第一日野小学校のグランドを削って通る道路計画です。
戦後復興の目的で、1946年(昭和21年)に計画されたものです。
70年以上放置されていた道路計画は、東京都からの計画遂行打診に対して濱野前品川区長が承諾し始まりました。
東京都は東日本大震災をきっかけに、急遽東京都の第三次事業化計画に特定整備路線として組み込みました。
防災が目的とされていますが、道路が延焼遮断帯となるという行政の説明は、はなはだ危ういもののように思えます。
また他の自治体は、緊縮財政と相まって、不必要と思われる事業はどんどん見直しがかけられ、道路計画も見直しがされています。
唯一東京都だけは、見直しをかけずにどんどん道路計画を進めてしまっています。
道路計画についてのミニフォーラムを開催しました。
2022年11月11日の報告HPをご覧ください。
いま、道路計画のため立ち退きが進み、フェンスに囲まれた空き地が点在しています。
「夜になると怖い」「夏場は木陰もなくなり暑くて歩けない」などという声が挙がっています。
しながわ百景の一つにもなっている星薬科大学の銀杏並木は、放射2号線が通れば景観が様変わりします。
放射2号線道路計画は、星薬科大学の星一氏の銅像の目の前を通り、薬草園を潰すことになります。
薬科大学にとって、薬草園は、命綱とも言えます。
また、先の大戦での城南大空襲の時などは、星薬科大学へ避難したという話も聞きました。
東京都全体をみれば、同様の都市計画道路の見直しや計画廃止となった地域もあります。(第三次・第四次事業化計画)
世界では、地球環境改善のため脱炭素が叫ばれています。
さらに日本では、人口減少と車離れも起きています。
車に乗る人口そのものが減っていく将来に、今さら都市計画道路は必要とは思えません。
市民生活を顧みず、街並みやコミュニティを分断する一方的なまちづくり・道路計画は見直すべきです。
品川・生活者ネットワークニュース臨時号を発行しました(2023.11.1発行)
ツアーにご参加くださったみなさまありがとうございました。