ミニフォーラム「その都市計画道路 本当に必要ですか!?」を開催しました

品川区の道路計画の現状をお話ししました。起立して話すいながき孝子(2022年11月7日荏原第五区民集会所にて)

11月7日に、ミニフォーラム「その都市計画道路 本当に必要ですか!?」を開きました。講師に、NPO法人まちぽっと理事の伊藤久雄さんをお迎えし、主に都内の道路事情を伺いました。伊藤さんは、東京都の職員として長く道路行政に携わってきた方です。また、自治体政策や自治体の予算についてNPOで研究されているため、品川・生活者ネットワーク毎年春には予算の学習会に講師としてお呼びしています。

私、いながき孝子から品川区の現状として、区内で特定整備路線3本が既に事業化され、用地買収が始まり、今や歯抜け状態となっていることを地図と写真を資料にお話しさせていただきました。
続いて伊藤さんから「都市計画道路のどこが問題か」と題し、都市計画道路の成り立ちや道路計画が事業化されるまでには①測量説明会、②現況測量の実施、③用地測量の実施、④事業着手の手続きの流れについてお話しいただきました。

品川区では、戦後に計画され長く放置されてきた放射2号線・補助28号線・29号線の道路計画が進行中です。この3道路計画が、東日本大震災がきっかけで、急遽第三次事業化計画に組み込まれ特定整備路線とされました。防災が目的とされていますが、道路が延焼遮断帯となるという行政の説明は、はなはだ危ういもののように思えます。他の自治体は、緊縮財政と相まって、不必要と思われる事業はどんどん見直しがかけら、道路計画も見直しがされています。唯一東京都だけは、見直しをかけずにどんどん道路計画を進めてしまっています。東京都は予算が潤沢なため、見直しをしないのだと語られていました。

前述した事業着手の手続きとは、事業認可のことで、都施行は国土交通大臣、区施行は都知事です。区内路線は既に事業認可が下りているため、出来ることは少ないというお話が伊藤さんからされましたが、立ち退きを突然迫られた当事者としては到底納得はできませんでした。一方で道路の買収状況や、当該区民の多くがまとまれば、道路の「廃止提案」は主張できるかもしれないとのお話しに少しですが希望が持てた気がしました。

区長選に挑戦する山本やすゆきさんも道路問題には関心を持ち参加くださいました。(中央)

 

このミニフォーラムには、私と同じ道路問題の当事者の方も参加くださって、ご近所さんがお引越しされた先でどういう生活をされているのか、自分の立場に置き換えても情報交換がしたいと胸の内を語ってくれました。地域住民は降ってわいたような道路計画に翻弄され、行政も事業者も通り一遍の説明会しかしないまま、地域コミュニティが分断されています。品川区のまちづくりの姿勢に問題があると思います。
品川区には住民参加条例も自治基本条例もありません。私、いながき孝子は住民がまちづくりの主役となり、計画前から行政との対話ができるしくみを品川区に作りたいと、このミニフォーラムを通して強く思いました。

12月4日の区議会議員補欠選挙では必ず市民の議席を獲得し、市民の声を代弁する役割を担いたいと気力が湧いてきました。

 

ミニフォーラム終了後には、伊藤さんとともにミニフォーラム報告街頭演説を行いました。