幸田雅治教授の最終講義へ参加してきました

吉田ゆみこ区議の代わりに(はなりませんが)幸田雅治先生の最終講義に出席しました。
弁護士であり、且つ神奈川大学法学部教授である幸田雅治先生が今年3月退官されることとなり、幸田先生ご本人から「最終講義を聞きに来ないか」と吉田ゆみこ宛てにお話がきました。
最終講義と区議会の最終本会議日時が重なっていたため、吉田ゆみこは聴講を断念せざるを得ませんでしたが、講義のタイトル『住民自治・市民自治の実現化』というとても興味深い内容に惹かれ、私、いながきが拝聴してきました。
最終講義には(幸田先生が調べたところ)、3パターンあるそうです。
1,これまでの研究生活を辿る
2,同じ分野の研究者に伝えたいことを話す
3,最新の研究状況

幸田雅治教授
幸田先生は、1番目を選択されました。
とはいえ先生のこれまでの研究は多岐にわたり、地方自治、地方分権改革、行政不服審査法の使い方、日本の保育制度、女性消防職員の職域拡大などなど、盛りだくさん。
かなり駆け足でお話してくださいましたが、とても1時間では足りない充実したものでした。
中でも、私が気になったのは、伊丹空港「中村地区」問題です。
「中村地区」とは大阪空港の北西に近接した、特に対空受信所との間に挟まれた、国有地3.4haの地域のことです。
戦前に空港の拡張整備に従事した、主に在日韓国・朝鮮人の労働者の飯場が元であり、ここに約150世帯が居住していました。戦後もそのまま居住し「不法占拠」とみなされ、移転の話も出たが折り合いがつかず半世紀以上放置されてきました。この案件に対して幸田先生は、従来の枠組みにはなかった集団移転を提唱しました。また、地域の文化的コミュニティ保持を前面に打ち出しました。
国・県・市を跨いで関係者が協議をし、これまでの公共政策からは「百八十度」転換する、金銭的補償と土地の提供という内容となりました。
国による土地の提供と伊丹市による共同住宅の建設という独自の事業であり、その結果、在日の文化的コミュニティ維持と法律による金銭的補償が釣り合った形で、半世紀以上放置されてきた整備事業が解決に至りました。
この事例は、関係者が膝を突き合わせてとことん話し合い、従来のコミュニティを守ることで、円満解決に至った好例ではないかと思いました。
品川区内で発生している「再開発事業」や「道路計画」も、正しい情報の元、関係者がとことん話し合い、コミュニティを分断することなく、みんなが幸せになれる円満解決をめざしてほしいと思っています。
また、他には「地方分権改革」も気になりましたが、特に「平成の市町村合併」への批判は、明確なデータの裏付けに基づくお話でした。
『2015年国調(※)を元にした日弁連分析と同じ町村・旧町村であった。9割を超える地域で、合併町村の人口減少率が高く、合併町村の方が地域の衰退が進んでいることが明らかになった。』とのお話を聞き、今からでも合併解消はできないのだろうかと素人考えで思ってしまいました。※国土調査法に基づいて行われる調査のこと
一つひとつの内容がとても濃く、もっと多くの地方自治の在り方について、もっと色々なお話を聞きたいと思った講義でした。
とても勉強になりました。幸田先生、ありがとうございました。
いながき孝子

幸田雅治先生ありがとうございました